第22話

私は、生まれてから今までずっと実家で暮らしてきた。


それも、実家は、築100年近くの建物。


母さんや父さんに”マンションに住みたい”と言ったことがあったのだが


二人は、30分もの間”マンションに住むとどんな利益があるのか、古い家に住むとどんな利益があるのか”


という話を延々と聞かされたことがあった。


そんな事があってからか、私は”マンションに住む”という夢を


親に言わないようにしていた。



でも、やっと夢が叶う。


そう、思うとワクワクとドキドキが止まらなかった。


私は、例え自分がこれからずっと住むわけではなくても


嬉しかった。




そんなことを思いながら、葛馬さんについて行ったら、


あっという間に葛馬さんの部屋についた。


葛馬さんは、ドアの鍵を開けると


自分は先に入らず、私を先に入らせてくれた。



「お邪魔します」



私は、少し小さい声でそう言って中へと入っていった。



部屋の中は、予想通りだった。


葛馬さんらしいインテリアにカーテン,


テーブルにソファ。

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