婚約者
第20話
すると、微笑みかけた私に葛馬さんが訪ねてきた。
「琴葉さんって、こういう場所苦手ですか?」
私は、あまりにも衝撃的すぎて固まってしまった。
なぜ、分かったの?
なぜ、そう思うの?
なぜ、そんな事聞くの?
なぜ、なぜ、なぜ?
「なんでそんなふうに思ったのですか?」
私は、意を決して葛馬さんに聞く。
それも表情を崩さずに。
すると、意外な返事が来た。
意外というよりも、私が自分でかってに絶望したも同然。
それぐらい、意外なものであった。
「琴葉さんの顔がそんな顔をしていたからです。
このショッピングモールに入ってからまるで見たくないものを見ているかのような表情をしています。此処にいる恋人たちのことも少しソワソワしながら見ているものだから。あっ!すみません!もし、そんな事なかったらすみません」
私は、見抜かれたという衝撃よりも自分のことを考えて
それも、私にちゃんと向き合ってくれたというところがちょっぴり衝撃的だった。
私は、失礼なことに慌てる彼を見て少し笑ってしまった。
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