第24話:私とエッチするのと大学へ行くのとどっち取る?
さてパンからアドバイスをもらったワインだったが、セックスしてもいいよ
ってことをどう隼人に切り出せばいいか迷っていた。
言い出せないまま、毎日が過ぎていった。
隼人君は、徐々に帰って来ない日が多くなっていった。
ワインは隼人君の浮気を疑ったが隼人は例のホテルの前での浮気しそうになった
時から他の女に手を出さず、がんばっていた。
だから、ワインに黒コゲないされるようなことはしていなかった。
一度ワインに火を吹かれたことがあったから見つかるとヤバいと思っていたし、
まあ、それが怖くて浮気しないんじゃなかった。
もし自分が、しでかしたことで愛しい人に悲しい思いをさせたり傷つけたり
したら隼人君は自分が許せなくなると思っていた。
一見、軽そうに見えるが隼人君は案外、律儀で真面目なところがあった。
隼人君はワインとセックスができないことで、もう気持ちは欲求不満を
通り越して、幻覚が見えたりした。
ワインがおいでって手招きしてる幻覚・・・。
もう半分以上、どうでもいいやってヤケになりかけていた。
ある日の朝のこと・・・隼人君が大学にでかけようって時にワインが玄関で
見送る時に何か言い始めた。
「あの〜あのね・・・話があるんだけど・・・」
「え〜これから、でかけようって時にか?」
「んで?・・・いいよ何?・・・」
「早くしてよ」
めんどくさそうな返事だった。
「隼人、冷たい・・・」
「ん〜ごめん、ごめん・・・」
「話って帰ってからじゃダメなの?」
「もう、行くよ」
「いってらっしゃいのキスなら・・・はいどうぞ・・・」
「最近隼人が元気ないのは、きっと私のせいだと思って」
「そんなことないよ・・・でもなんかさ、何も手がつかなくてね」
「幻覚まで見るようになって・・・」
「幻覚?・・・それってヤバいじゃん・・・やっぱり私のせいだ?」
「だね、はっきり言ってそうだね・・・間違いなくそうだね」
「てか、遅れるから俺もう行くよ・・・」
「帰ってからまた話そう・・・」
「じゃ〜ね・・・行ってくるから・・・」
「あ、キス・・・」
「ああ、そうか・・・」
隼人はおざなりのキスをした。
するとワインが急に抱きついてきた。
「お、おいって・・・なに?」
そして隼人君の耳元で囁いた。
「今日、どうしても大学へ行かなきゃいけない?」
「まあ、特に行かなきゃって訳じゃないけど・・・」
「じゃ〜・・・私とエッチするのと大学へ行くのとどっち取る?」
「・・・・・・・」
「何、言ってんの?・・・幻覚の他に耳までおかしくなったか?、俺」
つづく。
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