憂鬱はゴミ箱からやって来る2。(ニンフの性欲を覚醒させる方法)
猫野 尻尾
第1話:ワインって名前のニンフちゃん。
ベンジャミンがやって来たために人間界と異世界の次元トンネルになっていた。
ベンジャミンが張った結界が甘かったせいで、異世界からいろんなやつが
人間界にやってきて来るようになった。
そしてそのゴミ箱から、また一人の女がやってきた。
やってきた女は、パンやロゼと同じニンフちゃん。
そのニンフの名前は「ワイン」って言った。
ワインの姉は吉岡君の家で同棲してるハーフニンフのロゼ。
ワインはロゼの妹。
ってことで、ワインもまたハーフニンフ。
ってことで父親は暗黒の神エレボス。
ゼヌスの娘なら純粋のニンフなんだが、父親がエレボスとなると暗黒の神とニンフの間に生まれたハーフニンフと言うことになるのだ。
エレボスはゼヌスとタイタン族との戦いのときタイタンたちに味方して全土を炎で
焼き尽くしたためゼヌスによって永遠の地獄タルタロスへ落とされた。
これ幸いにとエレボスは今はタルタロスのボスに収まっている。
ワインがロゼと違うところはワインの髪はピンク色で瞳の色はグリーン。
で頭にツノはない。
ロゼとワインは同じ母親のニンフから産まれた。
母親も髪はピンクだからワインは母親の遺伝なんだろう。
耳は、みんな同じように尖っていてワインは左耳にだけに魔法使いの証のピアス
なんかしていた。
ワインには姉と違って異世界にいる妖精ピアス同様、風に乗って宙を飛べた。
(妖精ピアスに関しては、パンが誘拐された章を参照してくだされ)
そしてワインは父親と同じく火を吐くことができた。
たぶんキャンプなんかにワインを連れて行ったら重宝するだろう。
テントまで焼いてしまうかもしれないけど・・・。
で、着てるモノは露出多めのロゼ同様水着に近いもの・・・裸じゃないだけ、
ましか・・・。
「さてと・・・」
ワインにとって、そこは初めて来た見知らぬ場所だったわけで・・・。
人間界にやってきたワインはとりあえず姉のロゼを尋ねるつもりだった。
ワインがゴミ箱出てきた場所は、誰もいない寂しくて薄暗い路地裏。
健斗のアパートがすぐ近所にあった。
もしワインが健斗やパンのことを知っていたら、ふたりに会えただろう。
彼女はゴミ箱から出て歩いて別の通りに出た。
大通りへ出たワインにいきなりな光景が目の前に広がった。
ひとつ路地を抜けるとびっくりするくらい賑やかしい街が広がっていた。
「なんなのここ・・・?」
人は、あふれんばかりに右往左往してるしワインが見たことない四角い箱が、
何個も道を行ったり来たりスピードをバリバリに出して走っていた。
ワインには見るもの、すべてが目から鱗だった。
ワインが適当に道を渡ろうとしたら四角い箱がワインの前で急に止まると
バカうるさいクラクションを鳴らして箱の中から人間が顔を出して、なにやら
怒鳴っていた。
ワインは危うく四角い箱に轢き殺されるところだった。
こんなところで、もたもたしてたら四角い箱に何度殺されるか分かったもんじゃ
ないって思った。
あまりうろちょろもできずワインは誰かと一緒にいれば安全と思って人が並んでるところまで行って友達みたいな顔して一緒に並んでいた。
するとやってきた大きめの箱から人がぞろぞろ降りてきて代わりに、さっきまで
並んでいた人が大きめの箱にぞろぞろ乗り込んでいった。
みんな大きめの箱に乗り込んでしまって誰もいなくなったので、ワインはまたひとりになった。
どうしたもんかと考えあぐねていたら、後ろから誰かに声をかけられた。
「キャン・ユー・スピーク・ジャパニーズ?」
つづくのじゃ。
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