グレソ バカ一代
おおやましのぶん。
第1話
まもなく自分たちが転送される順番がくる。
椅子の一つも置いていない殺風景な部屋の中でグレソは仲間のノウキンとケンジャと共に自分たちが呼ばれるのを待っていた。
月明かりが窓の外から差し、神秘的な雰囲気を醸し出していた。
三人は軍事学校出身のエリート部隊だ。これから戦場に転送されようとしている。
「この魔法陣、本当に大丈夫かな?」ケンジャは不安そうに言った。
彼の目は魔法陣の不気味な模様を見つめている。
「大丈夫だろ!国のお偉いさん御用達の魔術師が準備してくれた魔法陣だぞ!勇者はいつだって行くぞ!」ノウキンは剣を腰に当て、大きく笑いながら言った。
グレソは彼らの後ろで微笑みを浮かべながらも、心の中で不安が膨らんでいた。
「じゃあ、行こう!皆で一緒に!」グレソは不安をかき消すつもり声を張り上げ、左手でノウキンの右手を、右手でケンジャの左手を握りしめた。
「おい、よせよ気持ち悪いな、男同士で」ケンジャはグレソの手を振りほどいた。
それを見たノウキンはケンジャの右手を掴もうとした左手を引っ込めた。
その時、怒号が聞こえてきた。隣の部屋からだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます