第52話

「‥透、秋。お前らはどう思ってる」




低く威圧するような口ぶりで親父がそう聞けば




「「若にこの身を捧げます」」




「ふっ‥さすが俺の側近だ」




これ以上ないほどの答えが返ってきた。




「ったく‥。お前らは‥」




頭を掻く親父。それでもあと一つどうしても聞かなきゃいけないことがある。



「親父。話はまだあるんだろ」



「あぁ‥」




正直、百合には聞かせたくなかった。それでも親父が百合には聞かせなきゃいけねぇと思ったことだ。仕方ない。




これがどんな内容でも百合の隣には俺がいる。



それは絶対だ。



だから百合は安心しろ。




どうか‥



この想いが百合に少しでも伝わるよう、俺はまた百合の手を強く握ったんだ。

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