第43話
(颯side)
隣には明らかに驚きを隠せない百合がいた。親父の言う通りということなのか。
「なんで親父がそんなこと知ってんだよ」
俺も知らなかった百合の父親の旧姓。親父が口を開いた時から覚悟はしたが、きっとこれから親父の話すことに俺らの未来がかかっている気がした。
「百合ちゃんを見た時から誰かに似ていると思ったんだ。風香さん‥だったんだな」
ふうか‥?
誰だ?
「風香って‥私の、おばあちゃんの名前‥」
隣で定まらない瞳で、弱々しく声を出したのは百合だった
「そうだ。少し昔の話になるけどね、私が子供の頃風香さんはこの本家で暮らしていた」
「は?」
「えっ‥?」
俺と百合の声が重なる。無理もない。なんで百合の祖母がここに‥
「元々、浅見組を作ったのは神山さんだったんだよ。風香さんはその創始者の孫にあたる」
「おばあちゃんが‥」
頭の整理のつかない俺たちを置いて親父は話を進めていった。
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