第36話

誰もが思っていた疑問を口にした秋。確かに問題はそこだ。浅見組は裏の人間なことは確かだが、薬や密売、法に背くようなことはしないことが決まりだ。



全国に名を轟かせる浅見組。その浅見組が治安を守っているといっても過言ではない程。その分自由に動けない他の組から狙われることがあっても一般人がうちを狙ってくるなんて‥



「南百合さん‥と言ったか?」



「えっ‥」



考え込んでいれば親父の真剣な低い声が響いた。



「百合がどうした」



嫌な予感しかしなかった。



「百合さんを呼んでもらってもいいかな」




どうか‥。

百合だけは巻き込みたくない




親父が百合を呼んだ瞬間、俺としたことが、頭であるはずの俺がだ‥





神に縋るような真似をしていた。

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