第3話

頭から突っ込んできたから少しお腹に入ったけど…なんとか受け止めた。



その瞬間から冷凍庫のような、氷点下さながらの冷気を感じる。



ゴクッ‥



唾を飲み込み顔を上げると、殺人鬼の顔‥いや、殺人鬼は座っていた椅子からゆっくりと立ち上がっていた。



「百合‥こっちに来い」



低くゆっくり出される声




「いや!!颯なんてもう知らない!

透さんにお願いするもん!」




あんな颯の言うことを聞かないなんて、この世界できっと、いや絶対百合ちゃんだけだと思う。



百合ちゃんはますます俺の腰に回す腕に力を込め、イヤイヤと首をふった。



イヤイヤ!!

お願いだから‥離してぇ!!!



「百合ちゃん!俺のために、俺の為に離し『透‥どうなるか分かってんだろうな?あ?』



ほら‥

こうやって俺のせいになるんだよ‥

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