第157話

「颯!!何で百合ちゃんを取り戻さないんだよ!!!」



白城の姿が見えなくなった瞬間、怒りで仕事も忘れ俺の胸ぐらを掴み怒鳴る透がいた。



「分かってんだよそんなことっ!!!」



ガタンッ!!



俺だって落ち着ける状況じゃなかった。目の前のテーブルを足で吹き飛ばし透とつかみ合いになった。一瞬で弾ける透のワイシャツのボタン。



「落ちついて下さい!!若!透さん!」



必死で俺らを引き離す秋。


「百合さんがどう思ってるのか、コンタクトだけでもとりましょう」



「クソッ…」



「チッ…」



俺らが揉めてもしょうがない。



百合の声が聞きたい。



百合の本音を…。



秋の提案にひとまず乗ることにし、これからのことを考えることを優先した。

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