第155話

(颯side)



「まっ、こんな感じだ。誰にも言えない気持ちは俺もよく分かるんでね。それに…姫は嘘に嘘を重ねてくことに疲れてる。心がやられるのも時間の問題だな」



俺らの知らなかった百合の話。こいつから聞くこと、聞かなきゃいけないのが悔しかった。



「最初は興味本位だった。でも…悪いがマジで狙わせてもらう」



俺を見つめるその瞳は言葉通りの本気の表れ。



「あ?許すと思ってんのか」



「許すも何も姫はこっちにいるんだ」



お互い絶対に目を逸らさなかった。



クソが…



「乱暴なことも無理矢理襲うこともないと約束する。あの場所に出入りするのも俺と側近二人の三人だけだ」



「そんなの信じられるわけ…!!」



「秋!」




秋が口を出すほど、言われてる意味は痛いほど分かった。

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