第134話

「浅見組はひまなのかよ」



ビルの1階エントランス。待合スペースに座らせれば、ぞくぞくと集まる俺らの組員と、囲まれても身じろぎ一つしない白城。



「戻れ」



「はっ!」



秋と透だけ残せば一言でそれぞれが持ち場へと帰っていった。



「百合は」



「寝たぞ。ぱったりとな」



百合の様子を聞けば平然と答える白城。嘘はついていないようだ。



「まぁここに長居してもしょうがねぇからな。本題に入るぜ」



背もたれに掛けていた背中を上げ、自分の膝に肘を置くと、ふざけたような態度からガラリと雰囲気が変わった。



透はまだ大丈夫だろうが、こいつの出す気に秋はやられるだろう。

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