第98話

「直樹、この数なら俺一人でやれる。念のため百合ちゃんのガードだけ頼んだ」 


「俺も!!」



食い下がる直樹は尻目に、百合ちゃんと敵との距離を取るため俺は走り出し相手との距離を縮めた。



「うっ!!」



まずは先陣切って出てきた一人を蹴りで一発。薬常用者か…。焦点は定まってないし足元もフラフラ。


車からぞろぞろと降りてくる姿はまるでゾンビ。それでもこれは俺だけで大丈夫だろう。



ブーブー…ブーブー…



胸ポケットに感じる振動。今このタイミングでかけてくるってことは



「はい。若、そちらもですか?」



「あぁ。流石話が早いな透」


やっぱり。



携帯にかかってきた電話は颯から。同じタイミングで狙われたってことか。



「応援はいるか?」



電話の向こうでは秋がやってるんだろう。うめき声やら人の倒れる音が僅かに聞こえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る