第58話

フゥー、少しタバコでも吸うか。



「「お疲れさまです」」


「おつかれ~」



外に出れば見張りに声をかける。



「今百合さんいらっしゃいますよ」



その声に道路への20段程の階段下を見れば、あいつも息抜きか。タバコを手にした直樹と百合ちゃん。そして、繁華街をまとめているオーナーがいた。



「最近百合さんの寛大さがここら辺でも噂になってるみたいで。百合さん見かけると若の時みたいにあぁして皆さん声かけられてるんですよ」



昨日はそこの病院の医院長でしたよ、なんて笑ってるけど…



コツコツコツ…


表向きの颯の会社と関わりのある奴らは颯が外に出てれば挨拶にくる。まぁ颯の場合は基本「あぁ」の一言ですむから何も問題は無い。



でも…



靴音を響かせすぐさま百合ちゃんの元へと行けば



「浅見さんにお似合いですね。あんな対応取れる方は滅多におりませんよ。流石婚約者の方ですね」



百合ちゃんをべた褒めするオーナーに、笑顔で対応する百合ちゃんがいた。

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