第32話

「ん?どうした?」



「颯、ありがとう」



視線に気付き、私の腰へ腕を回した颯にお礼を言えば



「当たり前だろ?」



その言葉と共に、チュッと優しいキスがこめかみに降ってきた。



「かわいいな」



かーっと一瞬で熱くなる私の顔。きっと赤くなってるであろうその顔を見ればとどめの一言だった。



「あ、ありがとう」



「当たり前だ」



ふふっと二人笑いがこぼれると、透さん達の後を追い歩き出した。

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