第30話

「いいかも!ね、颯」



「あぁ、メインは百合のお祝いだぞ?卒業式にも出れなかったからな」



甘い笑顔を浮かべる颯に、思いだすのは二週間前。


颯と出会う前からたくさんのことを乗り越えた大学生活。その締めくくりにも卒業式には出ようと思ってたのに…。



まさかの寝坊。



どうやら透さんと秋さんまでもが必死に起こしてくれてたらしいけど全然起きなかった私。結局起きたのは卒業式終了から5時間経った夕方。急いで大学にいって卒業証書だけ一人貰うということになった。



一人…といっても後ろには颯と透さん、秋さんが居たけど。学長がぶるぶる震えて証書をくれたのはきっと一生忘れない…。

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