直樹がどんな思いで毎日頑張ってるか、考えて分かっているつもりだったが、まだまだだったなと透と二人、顔を見合わせた。

それでも

「あの手は許せねぇな」

「うちの弟は熱くなると鈍感だから」

そう笑う透は本当の兄のように直樹を見守っていた。

もういいだろ

顎で合図すれば何事もなかったかのように陽気に入ってく透。直樹に絡み付く透を横目に百合の隣へと座れば

「怒らないの？」

全て見透かしてる女神がいた。

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