第17話

「百合」


ビクンッ…



耳に感じる吐息混じりのその声に反応すれば



「何考えてる?」



色気をふんだんに振りまく颯がいて



「あ、あんなこと…言わなくたっていいじゃん…」



なんとか負けじとそう返せば



「本当のことだろ」



悪気ゼロの颯にもう何も言えなくなった時



「あの、お待たせしました」



誰よりも真っ赤になってる直樹君が両手にお昼のプレートを持っていた。男の直樹君でも当てられる颯の色気。私がやられることはもう仕方ないんだと諦めた。

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