第3話

「えっ!?」



俺の隣、透も聞こえてたのか、甲高い声が聞こえた。…が、それどころじゃない。



「おいっ!!直樹!!」



勢いよく、自分でも思った以上に怒鳴り声になりながら部屋へ入れば



「はいっ!!!」



エプロン姿、ビシッと直立不動で手から何か落とした直樹と



「難しいよ~」


何事もなかったかのように、半べそをかいてる同じくエプロン姿の百合がいて…



「えっ…?何してるの?」



どうせ昼ドラ的展開を予想してた透。

きょとんとした顔で聞けば



「百合さんと晩飯の餃子の仕込みを…。包むのを教えてたんですが百合さんの生地に隙間空いてたのでそれを直そうと…。でも百合さん少しも手を出させてくれなくて…」



「だって…。私も直樹君みたいに一人で包みたいんだもん」



なんだ…とため息をつく透。


それでも…

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