第5章

第19話 アウレリャノとレメディオスの結婚とその悲劇的な結末

112ページまで読んだ。


低地の向こうから招かれたニカルノ・レイナ神父の立ち会いを得て、アウレリャノとレメディオスの結婚式が行われる。ブエンディア家をあげてお祝いが続くなか、レベーカだけが不幸でいた。本来ならレベーカとピエトロ・クリスピとの結婚式も同時に行われるはずだったのに、母親危篤の知らせを受けたピエトロがマコンドを離れてしまい、結婚式をあげることができなかったからだ。


あとでこの危篤の知らせが嘘だったことがわかる。ふたりの結婚を妬んでいるアマランタの仕業だろうと思われたが、ウルスラが問い詰めてもアマランタは無実を誓うのだった。


アマランタはそのほかにも、何年も先にならないと完成することのない新しい教会でレベーカの結婚式が行われるよう画策したり、結婚式でレベーカが身につける花嫁衣装を虫に食わせて台無しにしたり、レベーカの結婚先を妨害しようとするが、ついにレベーカとピエトロ・クリスピの結婚式が行われることが決まり絶望する。


――決行は結婚式の前日の金曜日、やり方はコーヒーに阿片チンキを一滴まぜて……。


アマランタは姉を殺害することを夢想するのだった。しかし、予想外の出来事によってレベーカの結婚式は無期限に延期されてしまう。式が予定された一週間前、レメディオスがお腹にアウレリャノの子どもを宿したまま、激しく嘔吐し自家中毒で死んだのである。


アウレリャノと結婚したレメディオスは、子どもから一息に大人の女性へと変貌をとげ、ホセ・アウレリャノ・ブエンディアの世話やピラル・テルネラの生んだアルレリャノの息子(アウレリャノ・ホセ)の世話を引き受けるなど、ブエンディア家の女として申し分のない働きを見せていた。


アウリャノの子をみごもったと分かった時は、レベーカもアマランタも揃って喜んだくらいだったので、レベーカの結婚式がなくすために恐ろしいことが起こって欲しいと祈っていたアマランタは、良心の呵責に苦しめられることになった。


一方でレベーカもレメディオスの死に大きな衝撃を受けていた。ピエトロ・クリスピとの結婚式の日取りを決めるなど考えるだけでも罰当たりなことだった。気落ちしたレベーカはまた土を食べる癖がぶり返していた。



ちょっとレメディオスが可哀想すぎる。まだ若くて結婚したばかりだったのに。あと、アマランタは執念深すぎる。失恋したのは気の毒だが、レベーカの呪うのは筋違いなのに。

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