第16話 アウレリャノ、レベーカ、アマランタそれぞれの恋の結末

91ページまで読んだ。


町となったマコンドには二週間に一度、郵便が届くようになっていたが、この郵便の到着が遅れたことがきっかけでレベーカの恋煩いが発覚する。意識を失い、うわ言で心に秘めていたことを口走った。


レベーカの嘆きをアウレリャノだけは理解することができた。だれにも心のうちを話せない彼は、ピラル・テルネラのもとを訪ねる。アウレリャノが、商売女といわれている自分のところへやってきた理由に思い至ったピラル・テルネラは事が終わった後に、相手はだれかとアウレリャノの恋する相手を聞き出すのだった。


――わたしからあの子に話してみるわ。待っていなさい。うまくやってあげるから。


レベーカの恋煩いが明らかになると同時にアマランタが高熱を発したのでウルスラはてんてこ舞いとなる。発熱の理由は分からなかったが、はっと思いついてアマランタのトランクの底をさらってみると、ピエトロ・クリスピに宛てて書いた手紙が束ねられていた。


レベーカと同じくアマランタもイタリア人技師に恋していたのである。ウルスラは新居のために自動ピアノを買ったたことを後悔するのだった。


ピラル・テルネラからレメディオスが結婚してもいいと知らされたアウレリャノは、両親に結婚する打ち明ける。町長を嫌っているホセ・アウレリャノ・ブエンディアは反対するが、ウルスラは賛成する。妻の肩入れにホセ・アルカディオ・ブエンディアは折れてアウレリャノの結婚を承知する。と同時に、ピエトロ・クリスピから想われているレベーカをクリスピと結婚させること、アマランタを州都へ送り出すことを決めた。


父親の決定をレベーカはよろこんで受け入れたが、恋に敗れたアマランタは深くこのことを恨んだ。


――レベーカが結婚できるとしたら、それは自分が死んだときだ。


と。


ホセ・アルカディオ・ブエンディアは、アウレリャノとレメディオスを結婚させて欲しいと町長のもとを訪れる。ドン・アポリナル・モコステは、まだ子どもでしかない娘に結婚の申し出があったことに驚くが、妻とふたり話し合ってブエンディア家からの申し出を受けることを決めるのだった。

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