第4章

傷あと

第15話

「そっかぁ!」と男は何かを思いたったかのように




「俺の名前は加山結城、ユウキと呼んでくれ、



君の名前は?テーブルに書いて」




私は頷き、テーブルに(ネモトアヤネ)と書いた




何回か書き直して、やっと私の名前を覚えてくれた




「アヤネちゃんかぁ~。可愛い名前だね」




私はニコッと笑ったけど、本当は嬉しくはなかった




私の好きな名前じゃない




私はユウキの肩をトントンと叩き、テーブルに



(アヤネでいいよ)と書いた




ユウキは「うん、分かった。アヤネ…あのさ…」

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