第6話

6.

あれから、一年が過ぎた頃だった。


バッタリと社長さんと街で出会ったけど、社長さんは通りすぎて、私に声をかけてくれなかった。


私は後ろを振り返り

「あの」

「なんだ」

二人の顔が合った。


「その節は、ありがとうございました。」と言ったら、社長さんは頷いて帰って行く。


「あの!」

「だから、なんだ!」

私は駆け寄って行った。


「話しがしたいなぁと思いまして…」

「俺はしたくない!帰れ!もう、俺に関わるな!」

「そんなに嫌わなくても…」

「嫌ってない」

「じゃあ、話しがしたいです。」

「うるさい!とっとと俺の前から失せろ」

私は渋々、帰ろうとした。


その時だった。

「待てよ。ジュースでもおごるから、車に乗れ」

近くに止めてあった社長さんの車に乗って、走らせた。

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