放課後、下駄箱で佳音は

「これから駅前のカフェに行かない？期間限定のフラペチーノが飲みたいの」

と私に言った。私は微笑んで

「いいよ、行こう！」

と賛成した。家に帰る時間が遅くなる方が私には好都合だ。佳音は今日のように度々私を誘ってくれる。それはとてもありがたいことだった。

フラペチーノをストローで飲んで幸せそうな顔をする佳音は女の子らしくてとても可愛い。

ぱっちりとした二重とくるんと上がったまつ毛。健康的な肌とスタイルで肩まである栗色の髪は毛先を内巻きにしていて、男の子が守りたくなるような雰囲気を纏っていた。

「今日は先輩を近くで見れて本当ついてる日だったな」

佳音はそう笑った。細めた瞳がキラキラしていて魅力的だ。

「でももっとついてる事あったよね？」

私は佳音にそう笑いかける。

「あ、うん…」

佳音の顔が赤くなり、恥ずかしそうに俯いた。

「亮君とも話せたもんね」

私は微笑んだ。同じクラスの亮君は佳音の片思いの相手だ。

バスケットボールの推薦で入学しただけありスポーツ万能で、誰とでも気兼ねなく話す明るい性格の彼はクラスの人気者だった。

佳音は毎朝必ず亮君に挨拶をかけると目標を決めていたり、同じ委員会に入ったりと彼にアプローチするために頑張っていて、そんな健気な彼女はとても愛くるしい。

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