第6話

「よぉ、待ってたよ」


そう言って現れたのは、短い黒髪に少し日に焼けた肌。眠そうな、気だるそうな眼差し。汗臭そうな年上の男の人だった。トレーナーにジャージを履いていて、無精髭が生えている。


大丈夫なの?!この人!!


私は驚いて彼をジッと見つめていると、彼は私を見て、


「明らかに俺を見てテンション下がるな、女子高生。怪しくないから、安心しろ。これでもな?俺、刑事」


と自己紹介すらつまらなそうに言うと、私は彼の顔を二度見した。


『刑事』…っつった?!


警察のひと?


国、守れるの?


国民、守れるの?!


そう。


この人が、坂井理。


初めて彼に会った時の感想は「刑事に見えないあやしいおじさん」だ。


間違いなく第一印象は、最悪だったと思う。




それから、義父に性的虐待を受けていた萌梨と萌梨の妹の美夜みやを守るため、坂井さんと滋とで協力し合い、義父を近づけないように対策をしようと話し合った。萌梨の義理の兄の祐さんもアメリカから帰ってきて、みんなが萌梨を…萌梨たちを、守ろうと動いた。


でも、結局、私たちは無力だった。


萌梨は美夜を守るために義父の梶原守留を刺して、萌梨は梶原の秘書に刺された。そうして萌梨の精神は壊れてしまったのか、長い長い眠りについてしまった。


その代償としてか、萌梨の妹の美夜は強くなった。私たちは、美夜を含めてみんなで集まるようになったんだ。

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