青い後悔 アンドレア皇太子Side
ブロンドのような赤褐色のような不思議な色の柔らかい髪。
貧しい家の娘だったが、今や髪にも手入れは行き届き、美しい艶があり、街一番の美容師の手によって素晴らしいカットになっていた。
ひとめ見た時に思ったが、俺の妻は最高に可愛い。
白く陶器のような肌のジェニファーが頬を赤らめて、俺にキスをしてくる瞬間。
透明感あふれる肌にピンク色にほんのり上気した頬。生き生きと輝く瞳。込み上げる笑いを堪えているような、明るい幸せそうな桜色の唇。
俺の目から涙が溢れる。
あぁ、ジェニファー……。
数々の思い出の瞬間が、鋭い痛みを伴って絶え間なく俺を襲う。
もう、耐えられない。
ジェニファーとの出会いが謀られていたものだったとは知らなかった。
「死を回避する球」「石の妖精」「鉱物に関する特殊能力」、全てがメッツロイトン家が有する魔法の能力だ。
俺は息が止まるほどの恋をメッツロイトン家の子孫にした。そのことの意味に、最後の瞬間まで気づかなかった。
俺は意識を手放した。
結ばれない方が良かったのか、方法があったのか、もはや分からない。
もう、耐えられない。
名前も知らない青い煌めく鉱物が、俺の手の中で、その固く冷たい存在感を伝えてくる。
俺は意識を手放した。
結ばれない方が良かったのか、方法があったのか、もはや分からない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます