2 合法ロリ男の娘大学は捜索困難
やばい。
やってしまったかもしれない。
俺は―。
「どこだ、ここ」
いつの間にか飛騨の山中、人里から遠く離れた緑深い山の中で遭難していた。
「まじか。どーしよこれ」
俺は実は3日前から、年の離れた従姉に釣れられて岐阜のクソ田舎に就活困難者ブートキャンプと称して合宿しに来ていた。
従姉は今年で33歳になる、いわゆる人気声優というやつで相澤乃々華の名前でもう10年近く声優業界で活躍している。
「うあ、くそ。また枝にひっ掻かれた!」
その従姉になんで就活困難について相談してしまったというと。
「声優になりたい、なんて言うんじゃなかったわ!」
奇しくも、通常の一般企業への就職を諦めて俺の得意な容姿と声を活かした芸能人(セレブリティ)への人生設計の変更を思いついたからだ。
しかし、それがまずかった。
乃々華ねぇは、まず俺に行ったのだ。
「普通の企業にも入れない落ちこぼれの癖して、我が栄光ある声優業界に入りたいと申すか、この小娘! ……、いや小僧か」
「だれが、ロリJSだくそ!俺は男だ!」
「ふん。いちおう我は貴様を男の(こ)として認めている。はしゃぐな」
「…………」
「…………」
「いやなんだよ。その喋り方。また変な役柄でも演じる練習してるのか?乃々華ねぇ」
俺は理由のわからないテンションだった従姉を窘めつつ、自分の優位を構築していく。
「俺なら、大丈夫だよ。多分声優としてやっていける。顔も声も美人だ。事務所紹介してくれ」
「たわけーーー!!!」
乃々華ねぇがブチ切れた。
「声優うんぬん、の前にその腐った性根を叩き直す!事務所は紹介してあげるから、おねぇちゃんに任せって付いてきなさい!」
「え、付いてくってどこにだよ?晩飯前には帰れる?夕飯コロッケなんだよね。乃々華ねぇも知ってると思うけど、俺の大好物の一つであり、俺の成長期の礎となったありがいコロッケ様なんだ、食いっぱぐれるなんてありえないぞ?」
ブチ、変な音がした。
「た、た、あた、た、たわけーーーーー!!!!」
拉致られた。
いとも容易く俺のプリティJS4ぼでぃをそばにあった(何故かあった)赤色の幼児用の縄跳びでぐるぐる巻きして、その日のうちにそれは飛騨高山の実は声優業界の一部では有名な合宿場につれて来られたというわけだ。
そしてー、
「」
冒頭に戻る。
「すばるんには、地獄を診てもらいます!!!」
そう、なぜか俺は山奥で3日間毎日トレイルランのトレーニングをしているのだ、女児用の白スク水を着ながらリコーダーが刺された赤いランドセルを背負いながら。
「解せぬ」
解せぬーーー!!!
遭難だ。
続く。
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