コタツについて
昨夜子供たちとアニメを観ていて、足先が冷えてきたので滅多に入らないコタツへと足を踏み入れた。
しばらくしてコタツの中の臭さが気になった。
子供たちの足の匂いが布団に染み付いているようだ。こんなにも臭いのなら、こんなコタツなんていらない。明日は布団を洗って撤去しようと考えた。
有給を捨ててしまうぐらいなら積極的に使おうと考えを改め、今日は休日設定にしていた。なのに朝寝どころかいつもより早い時間に目が覚めてしまった。 休みだと言うのにお給金が発生するなんて、なんて夢のような世界に生きているのだろう。ありがたい。 私は笑顔で子供達を送り出し、一人の時間を満喫しながら洗濯をした。
二度目の洗濯は、昨晩臭いと感じたコタツ布団だ。 ところで今まであんな臭いコタツの中でよく子供たちはくつろいでいられたよな、と、彼らの嗅覚の我慢強さに感心させられた。
この際、入浴後にしかコタツ立ち入り禁止というルールを作ろうか。いっその事最近は暖かくなってきたから、コタツは撤去の方向で進めてみても良いのかもしれない。 聞けば絶対反対されると思うから、子供たちが帰ってくる前に片付けてしまおうとほくそ笑んだ。
有給休暇は最高だ。
しかも水曜日に休暇設定した私、さすがだと思う。 月火⇢休み⇢木金⇢休み休み。
なんて最高な一週間だろう。
身体も心も生き生きとしてくる。
オマケに洗濯日和だ。
この時期は専ら部屋干しだが、コタツ布団だけは大きいので外干しを余儀なくされた。
近頃の外に洗濯物を干す三大リスクと言えば、花粉と黄砂とカメムシだ。その中で私が一番苦手とするものがカメムシの付着だ。
我が家のコタツ布団も同じこげ茶色なので、もしもカメムシが付着した場合発見しづらいリスクがさらに重なる。もしも気付かぬままにこたつ布団をセットしたなら、子供たちの足の臭さよりもカメムシの臭さでたまらないことになりそうだ。
私はビクビクとしながら慎重にコタツ布団を取り込んだ。
心拍数は爆速に跳ね上がる。
念の為にと仕上げに殺虫剤を振り撒きたい気持ちを抑えた。このままコタツを撤去するのか否か……。
毎年この時期になると衝動的にコタツを撤去し、結局梅雨時寒くなり再び設置するのがお約束だった。 毎年同じ二度手間をするのも成長がない。
コタツは継続した方が良さそうだ。
またコタツはすぐに臭くなるのだろうけれど、それは子供たちが元気に生きている証。
臭さは平和の象徴だ。
私は滅多に足を踏み入れないのだから、コタツは場所を取って邪魔だという視覚の不愉快さのみ耐えれば良いだけの事だ。
早くコタツが相応しくない夏になればいいのに。
それに夏になればさすがのカメムシも消えるだろう。
毎年そんなふうに思っては、実際夏になれば暑さに耐えきれず、冬になればいいのに……と真逆なことを考える。この人生、ぐるぐると同じ思考を繰り返しているように思う。多分、平和なのだろう。
今日はコタツをどうするかとか、カメムシにビクビクしたりだとか、そんな日常を過ごした。劇的に楽しかったわけではないが、良き有給消化ができたと思う。
今夜は良い香りがするコタツでくつろぎ、子供たちと続きのアニメを観ようかと思った。
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