第22話

私は泣きながら、走った。


その時、誰かの胸にドンッとぶつかった。

謝ろうとしたら、ギュッと抱き締められた。


この感じ…「和也?」と言ったら、「あぁ…大丈夫か?」と答えてくれた。

「涙が止まんないよ。」

「泣きたいだけ、俺の胸で泣け。」


私は泣きたいだけ、和也の胸で泣いた。


そして、泣き止んでから、和也を見上げたら、悲しそうな顔をしていた。


和也は、白いスーツを着ている。

やっぱり、あの時、和也だったんだと気付いた。


周りを見たら、黒いスーツを着た男の人ばかりだった。

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