第67話

「心配してくれて、ありがと。俺、上履き持ちだから替えぐらいいくらでもあるから」




上履き持ちて。

そんな衣装持ちみたいに。




桂に借りを作るのは癪だけど。



あたしに気を使わせないように、ああやって言ってくれてるわけだし。



ありがたいなも確か。



桂はニッコリ笑ってコッチを見てる。




若干、吹き出しそうに見えるのは気のせいだろうか…?




甘えよう。



借りることにした。




でも、どうやって…。




「この棟の1階の端にある保健室に、用がなくなったら預けといてくれたらいいよ。保健室の先生とは仲が良いから」




おおぉぉぉぉ!!

今日の桂は輝いて見えるよ!!




まさか保健室の場所をゲロってくれるとは!!




しかし、どこまでも人の考えてることが読める男だ。




返す方法もわかり、今度は口パクで礼を言う。




"あ・り・が・と"





「どいたま♪」




桂……あんた…もしかして

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