第12話
「商品が一点で、合計69円となります」
いつも通り事務的に手が動いていたので、言葉を付け足す
彼は財布から100円玉を取り出してこちらへ出すのでそのまま手で受け取ると、少しだけ彼の手と触れ合った
たった それだけの事だったが、ドクンッと心臓が跳ねたのが分かった
「…100円お預かり致します
……31円のお返しです
ありがとうございました!」
意識して笑顔を作る
彼は何も言わず、ペコリと頭を下げると店を出て行った
ぼんやりと店を出て行った彼を見ていたら直ぐに新しい客が来て、またレジ打ちをする
一は頭の片隅で思った
彼はまた来るだろうか? と……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます