第7話

「…100円お預かり致します


……31円のお返しです


ありがとうございました!」




爽やかで、更に良い笑顔で言われ、駆琉は思わず赤面してしまった


いつもならそのまま

「あざます」

とか返して買った物を受け取り、店を後にするが

何も言えず、1度ペコリと頭を下げて駆琉は店を出た


店を出て、ぼんやりと歩いて帰った


暑い だとか、アイスを早く食べないと溶けてしまうとか

そんな事など全く思い至らず、ぼんやりしていたから歩みも遅くなり

家に帰り着いた頃にはアイスはドロドロに溶けてしまっていて、とても食べられたものではなかった


が、気にならなかった


駆琉が気になって仕方がなかったのは、彼の事だけだった

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