第21話
すると…
「人間……っ!?」
「へ……?」
「雄真っ!!
どうし…!!?」
起き上がったそいつは雄真を見て顔色を変えた
何故か、雄真が人間である事に対して嫌悪感を抱いているような言い方と瞳だった
雄真の口から間抜けな声が漏れたのは、訳が分からなかったから
フェンリルは駆けつけ、雄真とそいつを見た瞬間に声が消えた
驚きから声が出なくなったのだろう
そいつは、フェンリルを見ると責めるような口調で言葉を投げつける
「フェンリル!!
貴様、この森の守り神みたいなものだろう!
何故こんな所に人間が居る!?」
「落ち着け、ヴァン」
フェンリルの比較的落ち着いた声がした
雄真は判らないからとりあえず黙ったままだ
そして1匹と1人の間で進んでいく会話を静かに聞いていた
「これが落ち着いてられるか!
ここは神聖な場所だ!
そんな大事なところに不用心に人間なんぞを踏み込ませおって!
ここを人間などから護るのが貴様の存在理由であろう
それを放棄して、剰え(アマツサエ)その人間を庇うとは何事だ!?」
……否、雄真はフェンリルに ヴァン と呼ばれた男の勢いに押されて言葉が出てこないだけだった
「雄真はそこら辺の低俗な人間共とは違う!
我は雄真を信用して此処へ連れてきた
それから数十日一緒に居るが、世界樹に悪さ等々一切何1つとしておらん!」
「それがどうした!
そんなもの貴様を欺くためにまだ何もしていないだけかもしれんだろう!」
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