――嘘――

第47話

翌日、充は久方ぶりに気持ちよく目が覚めた


こんな事は、亜美が亡くなってから初めてだった


いつもは夢に魘され

朝はびっしょり寝汗に濡れたパジャマが身体に張り付き嫌悪感から目を覚ますのだ


それが今日は、いつもの夢も見ず、気持ち悪い程の寝汗もかいておらず

いつもの倦怠感も微塵も顔を覗かせなかった


それが何故なのかなんて、頭では分かっているが心がそれを否定する


自分の恋心を自覚したから安心して眠れただなんて

亜美に対しても、奏くんや、千亜ちゃんに対しても、失礼極まりない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る