――偽りの日々――

第36話

カラコンを入れ直して、鬘もまた 被り直す




これでもう

Cherryの碧じゃない


稲葉 充 …オレだ




充「聖汰…


千亜ちゃんっぽくなかったら言ってね」


聖汰「ぅ、うん…」




一旦目を瞑り息を吸って 止めて…




“私は、千亜”


“奏くんの恋人”




いける…っ!!




止めていた息を吐き出し、目を開ける




充「ねっ奏くん


デートしよっ?」


聖汰「っ!!」


充「私ね…


奏くんの事、好き…だよ?」


聖汰「千亜ちゃん…っ」


充「…よし、似てるね?」


聖汰「ぁ………


うん…


千亜ちゃんだった…」




聖汰は切なそうに柔らかく微笑んだ

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