――最悪な出会い――

第1話

――――――

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――




時を遡る(さかのぼる)こと、小一時間前…


充は何時も“あの事”を引き摺って、ずっと家に引き込もっていた


だが、今日は姉ちゃんが充を家の外に引き摺り出して、買い物に付き合わされていた


買い物をしてる途中、姉ちゃんがいきなりトイレに行きたいと言い出したので、充は店の中をうろちょろしていた


そしたら、今、コレだ…




何なんだ、コイツ…?


オレの事、誰かと間違えてんのか…?




充は見ず知らずの男に抱き締められながら思った




充「………


アンタ、誰?


誰と間違えてんの?」


?「ぁ…?


千亜…?」


充「“千亜”って誰?


オレの名前は、稲葉 充(イナバ ミチル)


人違いしてんじゃねーよ」


?「ぇ…?


稲葉 充…?


は、ハハ……


何の冗談だよ…


なぁ、千亜だろ…?


千亜だよなぁっ!?


この顔、身長、身体、髪の色、目の色っ!!


千亜だろっ!?


千亜なんだろっ!?


千亜…っ!!」




男は充を揺さぶりながら問いかけてくる




いい加減にしてくれ…っ!!

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