ジェラルド
第37話
ルーカスが退場した後にティオナットとジェラルドも闘技場から出て行く
そこへフレッドが些か興奮した様子で駆け寄って来た
そしてその後ろからジェラルドの取り巻き2人もこちらへやって来る
「ティオナット!!
ティオナット凄いな!
俺、全く見えなかったんだけど!!」
「あー、そう、うん」
「………ブリクスト、お前は何故この僕と友達になりたいなどとふざけた望みを言ったんだ!?」
フレッドの感想を適当に受け流していると、ジェラルドが未だに睨みながら怒鳴ってきた
それにティオナットは嗤った
「…何故って?
………まぁ、父に同年代の奴と喋ったり遊んだりして来いと言われたからな
だからお前で遊んだ」
「お前………っ!!」
あっけらかんとそう言い放つとジェラルドは顔を真っ赤にして、面白いくらい反応を返してくれる
それが面白くて言うはずのなかった本音までつい口から零れる
「屈辱的だっただろ?
いつも見下していた忌み子なんかに負けて、退学させようとしていた奴に頭下げて友達になって貰って…」
そこで言葉を切って声に出して笑ってやる
それに怒ってジェラルドはティオナットの胸ぐらを掴もうとしたが、ひらりとそんなものを避けたティオナット
「まぁ、そう怒るなよ
これでも一応お前を認めてはいるぞ」
「……は?」
ティオナットの突然の、思いも寄らなかった言葉にジェラルドとその取り巻き2人とフレッドは目を見開き、驚きで固まる
「ジェラルド、お前は確かに俺の事を見下していてとてもムカついていたが、負けたときは潔かった
それに、頭もさほど悪くはない
あの場所から早く居なくなりたいのなら、無駄に吠えて恥曝すより早々に俺の望みを承諾した方が利口ってもんだ
だから
ジェラルド、お前みたいな奴、嫌いじゃねぇよ?」
最後にニヤリと笑ったティオナット
それに言葉を失くし、顔を赤らめたジェラルド
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