第33話

そしてフレッドはまたティオナットに引き摺られて教室まで戻った


魔力コントロールの授業の後は全て座学で、

放課後になるまで昼休み以外はずっと教室だった


そして放課後


第2闘技場にはティオナットとフレッド、

ジェラルドとその取り巻きの2人と担任のルーカス、

そして何故か大勢のギャラリーが集まっていた


フレッド曰く、ジェラルドが昼休みに食堂など人の多い所で決闘の事を言い触らしていたそうだ


ティオナットはその全てを冷めた目で見て、視線をルーカスに固定した




「…ルーカスは何故ここに?」


「ぁん?


俺がてめえ等の決闘の審判すっからだよ、面倒くせぇなぁ


おら、とっとと始めんぞー」




ルーカスはティオナットに簡単に応え、その後に全体に呼びかける


それを期にざわついていたギャラリーが静まりだす


そして闘技場の真ん中に向かい合って立つティオナットとジェラルド


ジェラルドから凄い熱視線がくるが知らないフリでルーカスを見るティオナット


ルーカスはため息を吐くと、また口を開く




「あー、面倒くせぇ


ルールは簡単


1年だから魔法は無しで武器のみの決闘とする


武器は闘技場の刃引きされたヤツ選んでるよなー?


降参、もしくは審判の俺が試合続行不可と認めた場合、勝敗が決まる


一応、防死結界は張っておくが、誤って殺した場合は失格負けなー


んじゃ、後は勝った時の望みを1つずつ言えー」


「僕はティオナット・ブリクスト!


お前に退学を命じる!!」




ルーカスが言い終わるのと同時にティオナットを指差しながら声高らかに言うジェラルド


それとは対照的にハッとした感じのティオナット


その反応を見てジェラルドはニヤリと笑う


が、ティオナットがそんな表情をしたのはジェラルドが理由ではない




「ごめん、ルーカス


それすっかり忘れてた


決闘中に考えとくから、終わってからで良い?」


「なっ!!!」


「…は?


マヂかよ、こんな奴初めて見たわ…


ブリクスト、まぁ良いんじゃね?


勝ってから言えなー


じゃぁ、はい、始めー」

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