第23話
「………つーか言い忘れてたけど、演習とかの実技の授業以外での魔法使用は厳禁だからな
俺は面倒くせぇから見て見ぬ振りしてやっけど他の教師共はいちいちウゼェから魔法使うなら誰にも見つからねー所で使えよ」
ものぐさに言い放つルーカス
ティオナットはそれが教師の言う事かと呆れる
その感情が諸に顔に出ていたのだろうが、ルーカスはそれを素知らぬ振りでさっさと歩を進めてしまう
ティオナットは何も言わずその後をついて行くと、ルーカスがとある教室のドアの前で立ち止まった
その教室のプレートには1-Sと表記されていた
「今日からここがお前の教室
これからHRが始まるから呼んだら来いよ
理事長から聞いてると思うけどここ貴族とかいるからイジメとか面倒くせぇ事すんなよー」
「ん…
………それって俺に言っても意味なくね?」
「知るか」
ルーカスはそう切り捨ててドアを開けると中に入って行った
ティオナットは1つため息を吐くと呼ばれるのをドアの横で待っていた
教室の中は何気に騒がしかった
その中からルーカスの声が聞こえてくる
「うるせー、黙れー
今日の連絡事項は転校生がいるってことくらいかー?
よし、入ってこーい」
なんとも適当なHRである
そして早くも呼ばれてしまった
心の準備をする時間なんてものはなかった
…まぁ、そんなことティオナットはしないから別に良いのだが
教室の中から「どんなやつー?」とか、「男? 女?」とかいろいろ聞こえてくる中、ティオナットは教室の中へと踏み込む
ティオナットに沢山の視線が突き刺さる
が、ティオナットは全く気にせず、教卓の横にいたルーカスの隣まで普通に歩いて行く
それまでに聞こえるティオナット(忌み子)への嫌味、罵詈雑言
ティオナットはそれらをないものとして、堂々と歩く
生徒の中ではそのせいで更に気に食わないと罵る馬鹿もいた
そんな奴等を見下してティオナットは口を開いた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます