第35話

それを確認してルーカスがまた口を開く




「…異論はねーな?


んじゃ、ブリクスト


お前のラングフォードへの望み、言え」




最初はジェラルドに、その後はティオナットに向けて言ったルーカス


ジェラルドはそのまま沈黙を保っていたので、ティオナットはジェラルドの首元に突き付けていた剣を戻しながら口を開く




「……ふむ、


ルーカス、 “自殺しろ” というのは受理されるか?」


「おまっ!


馬鹿!


学校なんだからそんなの例え決闘の望みだとしても許される訳ねーだろ!?


お前らが責任持てる大人なら未だしも!!」




ティオナットの言葉に目を剥いて怒鳴ったルーカス


まぁこうなるだろう と思っていたティオナットは小さく 「やはりか…」 と呟くと少々考える素振りを見せる


そして何かを思いついたのか、ティオナットはジェラルドを見て、望みを告げた




「………うむ、俺の望みはジェラルド…


お前、俺の友達になれ」




その瞬間ジェラルドが激怒した


因みにルーカスやフレッド、ジェラルドの取り巻き2人を含むその他全員がティオナットの言葉に唖然とする


なぜそのような望みが出てくるのか、さっぱりわからなかったからだ




「………な……んだと!!?


お前は僕をどれだけ侮辱すれば気が済むのだ!?


平民なら未だしも、忌み子のお前なんかと貴族のこの僕が友達!!?


笑わせるな!!!」


「あー、もう煩いなぁー


決闘に負けたんだからさっさと了承しろよ、どうせ拒否権ないんだから


俺とお前、友達


どぅーゆーあんだーすたんど?」




ジェラルドの怒鳴り声などなんのその


全く気にせず自由に振る舞う、と言うよりもわかってて煽っているティオナット


それが更にジェラルドの怒りの火に油を注ぐ事はもちろん百も承知である


腹が黒い




「ふっ、ふざけるな!!!


僕は認めないぞ!


お前なんかが…」


「じゃぁ、今直ぐに学校辞めるか?」




ジェラルドの怒声にティオナットの冷たい1言が被さる


その瞬間、ビクリとジェラルドの身体が反応する




「………っ!!!


卑怯な…!」


「別に卑怯でも何でもないさ


お前も最初にそれを俺に望んだだろう?


まぁ、お前は俺に逆らえないんだから


ゆっくり選ばせてやるよ


学校辞めるか、俺と友達になるか


お前のミチは2つに1つだ」

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