誰か助けて下さい。今カレと元カレに監禁されそうです
第1話
「行ってらっしゃい」
「行ってきます。……梓、分かってるよな?」
「うん。大丈夫、真斗くんが帰ってくるまで勝手に外に出ないよ。」
私の返事に満足したように真斗くんが頷き、顔を近付けてきたかと思うと軽く口付けして部屋を出て行った。
キスをされた唇をそっと指で抑える。
姿が見えなくなったので、部屋の中に戻った。
「……」
真斗くんと同棲して1年半ぐらい経つ。付き合ってからは2年過ぎたぐらいだろうか。
同棲してから私は1度も真斗くんの許可無しでは外に出れていない。
外に出れる日は、真斗くんと必ず一緒で外に行けたとしても制限時間がある。
最高でも3時間ぐらいまでで。
基本、私の日常は殆どをここで過ごす。
真斗くんは過保護過ぎるんだと思う。私が1人で出るのは心配だからと許してくれないし。
もう成人もしていて社会人になっていておかしくもない歳なのに、まるで子ども扱いをしているよう。
1人でも大丈夫なのに。真斗くんに言いたくなるのをグッと堪えていることに気付いてるかな。
真斗くんと付き合う前はバイトもしていて、1人で歩くことも多かった。
だけど、ここで暮らすようになってからは以前の生活が遠の昔に感じる。
「真斗くんが帰ってくるまで何してろって言うの……」
つまらない。
ここにある本も読み飽きたし、スマホを使っていたとしても飽きてしまう。
真斗くんが帰ってくるまで私は一人ぼっちだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます