第12話

自由……?

これが自由だと果たして言えるのか。


それにどう考えたって大翔が言っている内容はおかしい。


でも……。

逃げ出したいのに、逃げ出せる術など持たない私はいずれ大翔が望むようになるしかないのだろう。


思わず唇を強く噛み締める。



未来なんて分からないし、見えないはずなのに。

どうして想像してしまうのだろう……。




未来の私はきっと外に出られなくて、ずっと部屋にいて。

ただただ大翔の帰りを待っているだけで。

悲しげに笑うだけ。



そんな未来なんていらない。

でも、いづれきっと。そうなってしまうのだろう。



「優香の全てが早く欲しい」



もう私の全ては大翔のものだというのに、これ以上何を求めているの?


私は……私……は。










本当の意味での自由に、なりたいのに。

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