第55話

工藤さんは自分自身をすっかり絞り出した。


ハアハア息を切らせて、ベッドに倒れ込んだ。


「工藤さん、これ、どうすれば」


「ちょっと待ってろ」


しばらくして、工藤さんは起き上がり、私のお腹の辺りにあるどろどろしたものを拭き取ってくれた。


「シャワー、浴びてこい」


「はい」


目の前に女がいるのに、自分でやるなんて、何年ぶりだよ。


あの外科医め、意に沿わないことを無理矢理するなだと。


まゆが壊れちまったら困るからな。


この時、俺はまゆを手放したくないと強く思った。


たとえ、他の男を愛していても、俺が抱いた時、その男の名前を叫んだとしても構わないと思っていた。


俺はまゆにぞっこん惚れた。


仕方ねえな、しばらく自分で慰めるか。


この時、工藤飛鳥はまゆにマジになった。

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