第24話

「僕の前で他の男の名前を呼ぶな」


兄の手が私の秘所の中に入ってきた時、はじめてわかった。


私は祐志さんが好き。


私は思いっきり、兄を押し退けて、部屋を飛び出した。


しばらく、あてもなく走った。


公園のベンチで思いっきり泣いた。


私、どうなっちゃったの?


靴も履いてない、かろうじてスマホと財布の入ったバッグは手に持っていた。


スマホを手に祐志さんに連絡をした。


何回か呼び出すも繋がらない。


何回も何十回も鳴らした。


その時、祐志さんの言葉が脳裏をよぎった。


そうだ、手術だから繋がらないんだ。


マンションに帰ろう。


私は急いでマンションに帰った。


お父様から連絡が入る、でも出る勇気がなかった。


シャワーを浴びて、キスマークを思いっきり擦ったが落ちない。


身体中の至る所にキスマークを刻みつけられた。

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