第18話

「違います、そんなことしません」


まゆは目にいっぱいの涙を溜めて訴えた。


「私は、祐志さんにキスされるのが好きです、抱きしめられるともっと気持ちよくなって、この間みたいに上り詰めたいって思っちゃうんです」


俺はまゆを置き去りにして寝室を後にした。


「祐志さん」


ドアはバタンと閉じた。


俺は何をしてるんだ、義兄に嫉妬した、俺は最低だ。


寝室に残された私は何が起きたのか理解出来ずにいた。


祐志さんに恋人の振りを頼んだのは、なんかすごく惹かれた。


一緒にいたいって思った。


キスされて、抱きしめられて、はじめてなのに嫌じゃなかった。


ドキドキして、もっと気持ちよくなりたかった。


この先はどうなっちゃうの?


お願い、私をこの先に連れて行ってって思った。


はじめての経験は祐志さんに捧げたいって思った。


この気持ちが好きって気持ちなの。


祐志さんは恋人の振りをしてくれているけど、いつかはどこかに行っちゃう。

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