第15話

「わからないんです」


「なんでわからないんだよ」


「それなら、祐志さんは私のこと好きですか」


なんて女だ、何にも伝わってねえ。


「俺はまゆが好きだ、感情が盛り上がって抱いた、また抱きたいって思った、これが好きって感情だろ?」


「だって、知り合ってこんなに短い時間ですぐに好きになっちゃうんですか」


「じゃあ聞くが、お前はなんで俺に身体を許したんだ」


「分かりません、なんかいきなりキスされて、でも嫌じゃなくて、気持ちがどんどん上り詰めて、気持ち良くなって、もっともっとって思ったんです」


「それが相手を好きってことだよ」


「そうなんだ、実は私、密かに思いを寄せている男性がいるんです」


「思いを寄せている男性?」


「ずっと好きで、でも叶わない恋なんです、そんな矢先に父が見合いを進めてきて、だからお見合いはなんとしても阻止したかったんです」


「ちょっと待て、まゆは俺と付き合うってさっき言ったよな」


「言いました、でも好きかどうかはまだわかりません」


「その思いを寄せている男性って誰だ」


「私の義理の兄です、すごく優しいし、いつもじっと見つめてくれるんです」


「それはやばいだろ」

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