第10話

まさか、助けた女がまゆで、しかも処女で、他の男は一切触れていない。


そして、俺に恋人の振りを頼んできた。


俺は迷わず頷いた、そしてまゆを抱いた。


まゆも俺を受け入れてくれたと思っていた。


親父、俺、まゆと結婚する。


俺とまゆはまゆの親父さんに挨拶にいくためまゆの家に向かった。


「お父様、私は服部祐志さんとお付き合いをしています、昨日も祐志さんのマンションに泊まりました、お見合いは断ってください」


「服部祐志?」


「はじめてお目にかかります、服部祐志と申します」


「父上はお元気かな」


「父は三年前に他界致しました」


「そうか、父上の名前を聞いてもいいかな」


「はい、服部祐之介です」


まゆの親父さんは驚きの表情を見せた。


それはそうだろう、親友の男の息子と、自分の娘が付き合っているとは、許嫁の二人が自然に巡り合い、結婚しようとしているなど、こんな偶然があるなんてと思っていた。


「そうか、そうか」


まゆの親父さんは感激のあまり、涙を流していた。

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