第6話

彼自身はゆっくりと動きはじめた。


「痛くねえだろ」


「はい、気持ちいいです」


「よし、もっと気持ちよくしてやる」


彼は私の上で腰を動かした。


「お前、最高だ」


私は思いっきり喘ぎ声を上げる。


さっき快楽の波がいったばかりなのに、またしても押し寄せてきた。


彼は私の中で果てた。


彼は私にキスをした。


「まゆ、俺と結婚しろ」


「えっ」


「俺を結婚相手として、父親に紹介しろ、いいな」


「いいんですか」


この時、私は恋人の振りをしてくれるんだとばかり思っていた。


一夜の経験は私に勇気をくれた。


「あのう、名前聞いてもいいですか」


「俺は服部祐志だ、服部総合病院の外科医だ」

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