第41話

彼は何を言っているの?

私がまだ廉を愛してるって事?

そんな事ないのに・・・

私は颯に心を奪われてる、唯一年後の別れの事実に戸惑っているだけなのに・・・


そんなに私は器用じゃない。

廉を愛しながら、同情だけで颯に抱かれる事なんて出来ないのに・・・


「颯さん、廉との事は終わってます、私は颯さんが・・・」


と言いかけた私の唇を彼は塞いだ。

まるでその先の言葉を聞きたくないかのように。


「凛、もう何も言わないでいい、俺の残りの時間を一緒にいてくれ、頼む」


私の返事は聞かないうちに私を抱き寄せ、唇を重ねた。


「ずっと凛とこうしていたい」


「颯さん、具合は大丈夫ですか」


「ああ、大丈夫だ、今朝薬を飲むのを忘れたからな、凛と一緒に過ごしていると、つい、病気の事を忘れちゃうよ」


「お仕事は大丈夫なんですか」


「今日は、予約入ってないから休んだ、そういえば、凛は何処かに出かける所だったのか?」


「はい、夕飯作ろうと冷蔵庫見たら何も食材が無かったので、買い物へ行こうと思ったんです」


「そうか、じゃ、一緒に行こうか」


「大丈夫ですか」


「凛を一人で行かせると、あいつに連れて行かれそうで心配だよ」


「颯さん」


そして二人で買い物に出かけた。

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