第26話

「お祖母ちゃん、凛ちゃんと今日一日一緒に遊びに行ってもいい?」


「ご迷惑じゃないですか?」


「私は大丈夫ですが・・・」


「やったあ、凛ちゃん行こう」


祐くんは飛び上がって喜んでいた。


「祐くん、パパに了解得ないと」


「じゃあ、電話しよう」


「えっ?、仕事中だからまずいんじゃないの」


祐くんはお祖母様からスマホを借りて早速電話をかけ始めた。


「はい、颯です」


「パパ?祐だよ」


「おー、お祖母ちゃんの所へ戻ったんだな」


「うん、でもこれから凛ちゃんとデートするから」


「はあ?駄目だ」


ちょっと祐くん何言ってるかな。


「祐くん、ちょっと代わって」


「お仕事中すみません、今、祐くんをお祖母様の元へ届けたんですけど、もし了解して頂けるなら祐くんを遊びに連れて行きたいんですがどうでしょうか、デートじゃないですから」


祐くんは両手を合わせて祈っていた。


「わかった、仕事終わったら凛のアパートに祐を迎えに行くからそれまで頼む」


「いえ、お祖母様の所にまた送って来ますけど」


「大丈夫だよ、俺が祐を迎えに行く、凛と会いたいんだ」


彼の言葉にドキッとした。


「わ、わかりました、じゃあ祐くんとアパートに戻ってますね」


「ああ、よろしく頼む」


そう言ってスマホは切れた。


「祐くん、パパの了解得たから、お出かけしようか」


「うん」


祐くんは目を輝かせて答えた。


「では祐くんをお預かりします、大和さんが仕事終わったら私のアパートに迎えに来てくれるそうですから、ちょっと遅くなるかもしれませんが、心配しないでください」


「ありがとうございます、祐をよろしくお願いしますね」


「じゃ、祐くん行こうか」


「お祖母ちゃん、行ってきます」


「気をつけてね」


私は祐くんとお祖母様の元を後にした。

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